【エシカルなハウスクリーニング】エシカルノーマルCEO本川誠さん 前編

人と地球に優しいハウスクリーニングを

ハウスクリーニング業界。

エアコンや水回りの清掃を行うその仕事では、意外にも劇薬が使われているのだそう。
そんなハウスクリーニング業界で「人と地球に優しいハウスクリーニング」を展開するスタートアップが存在する。

今回はエシカルノーマルCEO 本川誠さんに話を伺った。

Interviewee

本川 誠

Honkawa Makoto

新聞販売店で独立

株式会社Snailtrackにてハウスクリーニングや学習塾などの事業を複数展開
株式会社エシカルノーマルCEO

人と地球に優しいエシカルなハウスクリーニングを展開している

エシカルな企業を体現する社風

中瀬:エシカルノーマルでは10Rという行動指針があります。どういった経緯で設定されたのでしょうか。

本川:いっぱいあった方がいいと思いました笑

中瀬:笑

森山:3Rだったり4Rというのはよくあると思うんですが、本気で向き合ったときにこれだけじゃ足りないと思いました。

自分を筆頭にですが、どちらかと言うと地球を汚してきた人間なんですよ笑。もちろん今は心を入れ替えてますけどね。
そういったところで堅苦しい3R、4Rだけじゃなくて「後もう一つ、もう一つ」といった感じで肩肘張っていない砕けた部分も入れたくて10Rにしました。

中瀬:確かに、レクリエーションやロックンロールなど、ユニークなものもありますね。

専務

10Rについてはこちらから!

中瀬:10Rを達成するために社内ではどのような活動をしていますか。

本川:例えば、メンバーにキャンプ好きがいるので、休みの日は自然を感じながら過ごしたりしています。仮にキャンプで10Rに反しているスタッフがいたら「それ、ノットエシカル」といった感じで互いに指摘し合える文化を作っています。

やっぱり私たちは社会に対して啓蒙していく立場なので、自分たちも変わっていかないといけないなという思いで互いに意識し合ってます。

中瀬:本川さんの人柄を感じますね。楽しく指摘し合える文化は素晴らしいです。

エシカルノーマルのメンバー

全方位エシカルな企業!

中瀬:エシカルノーマルの活動を通して、本川さんやスタッフの方の環境に対する意識の変化はありましたか。

本川:あると思います。お客さんに引っ張られることも多いですね。

中瀬:実際にはどのようなお客さんがいたんですか。

本川:重度の化学物質過敏症のお客さんからお問い合わせをいただき、私たちが使っている洗剤や薬剤はケミカルは使わずにナチュラルなものを使っているので自信があり依頼を受けたんです。しかしその方の家に行くと玄関で追い返されたんですよ。

中瀬:原因はなんだったんですか。

本川:後で聞いてみると、シャンプーの匂い、ユニホームについた洗剤の匂いは無理だと言われたんですよ。また、昼食で食べた添加物の匂いがすると言われました。

あまり知られていないですが、重度の化学物質過敏症の方の7割ほどが電磁波過敏症を併発しています。私たちは電気自動車で大きいバッテリーを積んでいる車でご自宅に行ったのでもっと遠くに止めてくれと言われました。

中瀬:現在は化学物質過敏症の方にはどのような配慮をしているんですか。

本川:現在では家に行く前日はユニフォームを普段使っている洗濯機とは別に専用の洗濯機で洗濯石鹸を使って洗ったり、シャワーの際はシャンプーは使わずにお湯のみにしています。

中瀬:徹底的にやられているということが非常に伝わりました。

本川:また、私たちはペンギンズというコミュニティを作っていて、普段は別の会社で働きながら仕事終わりや土日にエシカルノーマルの仕事を手伝ってくれているメンバーが70人ぐらいいるんですよ。
そういった人達は元々エシカル志向なので、自分たちよりもエシカルのレベルが高い人が多く、私たちが引っ張り上げられてる感はありますね笑。

中瀬:やはり周りの環境は大切ですね。

本川:エシカルノーマルのフランチャイズの方達も元々エシカルな人ではなくて、ビジネスモデルとして面白そうだからという理由で入ってくれている方もいます。

私たちはフランチャイズの方にも座学研修を受けてもらっているんですよ。研修の運営はペンギンズのエシカル度合いの高い方達も手伝ってくれています。

食べ物だったら体の中に入った後にどうなっているか、服だったら廃棄した先でどうなっているか、洗剤は流した先でどうなっているか。その場の消費だけでなくその先の影響を考えることがエシカルの基本です。
そういったことを最初の座学で学んでもらい、フランチャイズの方達にもエシカルなマインドをつけてもらっていて、実際に行動してくれています。

中瀬:素晴らしいですね。お客さんがエシカルだからこそ、見せかけではなく根底にエシカルマインドを持つことは大事ですよね。

本川:現在は、エシカルについて全10回程度の体系的な研修を受ける「エシカルコンシェルジュ」というものを取り入れています。フランチャイズの加盟料で受けられるようになっています。

環境に配慮したEVの移動車

中瀬:エシカルノーマルでは洗剤の有害性を調べているだけでなく、EVを使って移動するなど脱炭素に関しても意識されてると思うのですが、CO2排出量の測定も行っているのですか?

本川:はい、もちろん測定しています。環境調査会社や企業の協力などをしている工学博士の専門家の方にアドバイザーとして入ってもらい、調査・計算をしてもらっています。

中瀬:ビジネスをする上でどれだけCO2を排出するかを把握しているんですね。実際に使われている洗剤はエシカルノーマルオリジナルのものなんですか。

本川:何種類かはオリジナルのものがあります。バイオ洗剤は作るのが難しいのでOEMに発注しているのが2種類。もう1種類は配合が簡単なので自社で製造しているエシカルパウダーがあります。それは石鹸よりも優しい陰イオン系界面活性剤の一種と大分の温泉成分を組み合わせて作っています。

本川:このエシカルパウダーは劇薬と同じくらい油がとれて、しかも安全なんですよ。

専務

エシカルパウダーすごい。そんなエシカルパウダーはこちら!

中瀬:エシカルな洗剤で大体の汚れは解決できるものなのですか。

本川:家庭の汚れだと大体はいけますね。

大人に必要とされる初めての嬉しさ

中瀬:エシカルノーマルの社風や事業についてお話いただきました。次に、本川さんのキャリアについてお聞かせください。
学生の時は特にどんなことに力をいれていましたか。

本川:ずっとアルバイトをしていました。仕事に目覚めたきっかけでもあります。

中瀬:何のアルバイトをしていたんですか。

本川:ガソリンスタンドのアルバイトをしていました。当時の時給が670円でめちゃくちゃ低かったんですが、このアルバイトが私の中で職に目覚めるターニングポイントでした。

中瀬:何があったんですか。

本川:ガソリンスタンドでは油外をどれだけ売ったかがスタッフの評価になるんですよ。

専務

油外とは、タイヤ交換やオイル交換などガソリン以外のサービスや商品を売ることだよ。

本川:油外の売上が社員、アルバイト関係なくバックヤードにグラフで張り出されていて、1位から順にアルバイトの女の子にモテるんですよ笑。

専務

男はモテるとやる気になるんだね。

本川:工業高校に通っていて周りに女の子がいなかったのもあり、油外の売上が高い人の後ろについてメモを取りながらめちゃくちゃ頑張りましたからね。

中瀬:やっぱり売上を伸ばすのは難しかったですか。

本川:半年くらいかかりましたけど1位になれました。

専務

すばらしい!

本川:ちょうど1位になったぐらいのタイミングで、隣町に新店のガソリンスタンドを出すからアルバイトリーダーをしてくれと声をかけられたこともあります。

その店舗は当時社内で3番目くらいに大きなもので、敷地内にコンビニがついてるような最先端のガソリンスタンドでした。

中瀬:すばらしいですね。かなり上り詰めたんですね。

本川:アルバイトリーダーがアルバイトの面接もしていいということで、自分の好きな子を選べる夢のような世界でした笑。

油外の売上が1位だからという自覚はあったので、油外も頑張りつつ教育も頑張っていました。全国のお客さんへのホスピタリティーのレベルを競う大会で全国優勝してかなり名声が広まりました。

専務

なんなんだこの人!!

本川:そういった感じで高校3年生の3学期ぐらいになると営業職だったり建築の会社からめちゃくちゃ誘われて、全部で20社ぐらいに声をかけられましたね。
異性からモテるために頑張っていたら社会モテまでするという感じで笑。

中瀬:たしかに。大モテですね笑。

本川:「大人から褒められることも無かった自分がまさか必要とされているなんて」って感じだったんですよ。そこで自分が輝けるのは仕事だと感じて、仕事で生きていくしかないというマインドセットになったんですよ。

工業高校だったので当時は土方や現場の仕事しか無かったので稼ぐには社長になるしかないないと思い、独立できる業種を探すために23社ぐらい転々としてました。
そこで最後に入った新聞屋で初めて独立できると思ったんですよ。

中瀬:独立されるまでどれくらいかかったんですか。

本川:修行をして8年ぐらいかかりましたね。31歳で新聞販売店で独立しました。

中瀬:新聞屋が好きというよりは独立できそうだからという理由だったんですね。

本川:そうですね。儲かりそうだっていう1点で独立を目指してました。

中瀬:修行の8年間は辛さは感じなかったんですか。

本川:かなり辛かったですね。過酷な労働環境でした。

中瀬:そこで折れないのがすごいですね。新聞屋での売上はどうだったんですか。

本川:店長を6年間ぐらいしていて、毎年売上の最高賞を取ってましたね。

中瀬:ガソリンスタンドの時もそうですが、売上を上げるコツみたいなのは自分の中であるんですか。

本川:当時の新聞屋は優秀な人材が集まるような場所ではありませんでした。月に休みは1回だったのでかなりキツい環境でもありました。優秀な人がいなかったので少し頑張れば光るみたいな感じでした。

中瀬:しかし、月1回の休みはかなりしんどいですね。

本川:私はそれまでの人生でかなり虐げられて生きてきたので耐えられましたね笑。

人生の転機。父そして起業家としての生き方。

中瀬:本川さんは結婚されて子どももいらっしゃるんですよね。

本川:そうです。独立するまでに結婚して娘が4人います。

中瀬:結婚されて家族が出来ると生き方は変わりましたか。

本川:かなり変わりましたね。親が自分より子どもが大事だというのはただの綺麗ごとだと思っていたんですが、今では子どもが一番大事です。

中瀬:やはり親になると考え方も変わるんですね。

本川:一番考え方が変わったなと思う出来事が、長女が1歳になった頃に起こりました。

ある日、長女と散歩していて少し目を離したときに落ちていたタバコを口に入れてしまったんですよ。まだ飲み込んでなかったので良かったんですが、もし飲み込んでたらと思うとタバコを捨てたやつへの怒りで頭が真っ白になって。

専務

それは怒りで頭が真っ白になっても仕方ない・・・

本川:何年かかっても捨てた奴をみつけて(自主規制)してやろうと思ったんですが、ふと我に返って自分か過去にしていたことを考えると自分のポジショントーク具合にびっくりしましたね笑。

人間は簡単に変わるんだなと思いました。

私が尊敬している社長の口癖だった、「遠足は来た時よりもキレイにという言葉のように、経営者は人生において自分が生きてきた時よりもいい世界にして死ぬんだ」という言葉が私の胸にめちゃくちゃ刺ささりました。

私は人生の前半では地球を汚してきて、若い頃は迷惑しかかけてこなかった自覚があるので、これからの後半の人生では前半部分の過ちを取り返すつもりで生きています。

中瀬:人の人生も変えてしまう子どもの力はすごいですね。

本川:本当にそうですね。人からの恨みだったり、地球の環境など全部含めて自分の子どもに返ってくると考えると申し訳ない気持ちで目も当てられないので。
もちろんお金は稼いでいかないといけませんが、自分の全ての時間をつぎ込む本業そのもので社会課題の解決に繋がるようなことをしていきたいなと思っています。

よくシャンパンタワーの法則と言って、自分が満たされることで自分から溢れたもので周りも幸せになるという考え方があるんですが、私はそうではないと思っているんですよ。
なぜなら人を満たすことでしか自分は満たされないという思いと、いつ満たされるか分からないのを待ってたら人生終わってしまうなと思うんですよ。

そこで生き方を変えようと思い新聞屋も辞めて、これからは社会課題解決に貢献できる事業しかしないという風に決めました。

中瀬:ハウスクリーニングを始めた経緯は何だったんですか。

本川:65歳以上の方に何でも屋みたいな形で30分500円で何でもしますというサービスを開始しました。そのサービスの中で一番依頼が多かったのが掃除で、最初は簡単な掃除の依頼だったんですがそれがエスカレートしていきました。

これはプロの技術が必要だなと思い、社員を一人ハウスクリーニングの知り合いの会社に修行させて、「いえサポ!」というサービスでハウスクリーニングを始めたのがきっかけです。

中瀬:そのときからエシカルについて考えていたんですか。

本川:全然考えてなかったですね。当時は劇薬は体や環境にはおそらく悪いだろうなとは思っていましたが、劇薬を使わないとキレイにならないと思っていたので仕方なく使っていました。

ある日たまたま大阪の幹線道路を車で走っていた時、前の車がマクドナルドのゴミを窓から投げ捨てたんですよ。
この時に嫌悪感を感じたんですが、その捨てた人のことを想像してみると、車の中をきれいにするために外に捨てたんだろうなと思いました。

そう考えると、お客さんの家をキレイにするために劇薬を使い、その劇薬を外(地球)に垂れ流しているハウスクリーニングとなにが違うんだと思い、急に自分が嫌になったんですよ。

そこで今の嫌悪感を放って置くのではなく、本当に悪いものなのか調べてみることにしました。すると、自分が想像していた以上の数字が返ってきたんですよ。

専務

後編では本川さんの現在のエシカルノーマルでの取り組みと将来のビジョンについてお話を伺いました。

【エシカルなハウスクリーニング】エシカルノーマルCEO本川誠さん 後編

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