【涙腺崩壊】世界でいちばん強くて優しいパパの物語-前編-

パパは強くて、かっこいい

イントレプレナー特集、フィナーレを飾るのは松永 智教さん。

大企業で働き家族を支えながら、障がいをもつ子供とその家族に活力を与える取り組みを推進。さらに起業して社会貢献型ビジネスで世の中を変えている。
人はここまで強く、優しくなれる。

松永さんの人生、各駅停車していきましょう。

エピローグ

今回取材したのは以下のような受賞歴を持つ、スーパーサラリーマン、松永さんである。

2018年 経済産業省 『始動 Next Innovator 2018』:選抜

2020年 慶応SDM次世代リーダービジネスプランコンテスト:優勝

2021年 しずおかビジネスプランコンテスト:優勝

2022年 浜松市 ORI-project:採択

2023年 Hamamatsu Startup Incubator 2023:採択

     J-Star X 地域起業家コース:採択

中瀬:おいおい、なんだこの経歴の化け物は!どこで拾ってきたんだ!

専務

ライター大島のFacebookでつながって取材依頼したらオッケーもらえたよ。

今回は、キャノンという大企業に属しながら自ら会社を設立し、数々の受賞歴をもつスーパーサラリーマン兼起業家の松永智教さんの人生を各駅停車します。

Interviewee

松永 智教

Matunaga Tomonori

大阪大学 大学院 精密科学専攻 修士課程修了
キャノン所属
UNISOC合同会社代表

ボランティアプラットフォームサービスAVSを開発し、数々のビジネスコンテストでの受賞と実証を進める。
2017年より、ユニバーサルスポーツを用いた地域交流活動の主催も行っている。

丸坊主小学生から名門中学へ

中瀬:本日は快く取材を引き受けてくださりありがとうございます。まずは学生時代のお話から伺っていきたいと思います。

松永:生まれは四国の愛媛県で、両親が教育熱心だったので小学校のときから塾に通ってました。小学生の時はファミコンが大好きだったので朝の4時に起きてこっそりしてました笑

専務

親にばれたら確実に怒られるやつだね。

松永:中学受験をしたのですが、受かるなんて思ってもおらず。公立の中学は坊主にしないといけない決まりがあり、僕も坊主にして入学の準備をしていました。でもここで奇跡が起きて、愛媛県の有名な中高一貫校、愛光学園に合格したんですよ。

専務

模試の結果がE判定で、悔しくてお年玉で受験したらしいよ。

松永:愛光学園は半分ぐらいが医者の息子みたいな学校だったので、普通のサラリーマンの息子である私が来るところではなかったですね。

中瀬:中学ではすぐなじめましたか?

松永:全然なじめませんでした。学校の寮に入って言われるがままに勉強してました。

中瀬:中学生のときから親元を離れて寮生活をしてたんですね。寮生活って楽しそうに思えますが。

松永:全然ですよ。男子校の寮なので青春なんか全くなかったですから。

中瀬:部活は何をされてたんですか?

松永:バレーボールをしてました。中高では熱血指導みたいなのに憧れがあって、でもフライングレシーブもできないぐらい下手くそでした笑

専務

フライングレシーブとはボールに飛び込んでレシーブすることだよ。

無気力大学生、爆誕

中瀬:大学はどこにいかれてたんですか?

松永:大阪大学にいきました。

大学に入るまではずっと自分の意志がなくて、志望校とかも無かったんですよ。周りに医学部を目指す友人が多かったので医学部に入りたいと両親に相談しました。すると、サラリーマン家系の医者は勤務医になるしかないからやめとけと言われました。今考えたら反論するところですが、それに対して言い返す言葉もないくらい自分の意思がなかったです。

専務

僕も周りの目標に合わせて勉強してたなあ。

松永:高校の初めのころは成績が良かったんですけど、3年生のころに遊んでしまって、徐々に落ちていきました。兄弟が大阪大学に通っていたこともあり、前期試験で大阪大学に出願したんですが落ちました。後期試験も理系科目の割合が高くて受かりそう、という理由で大阪大学に出願しました。後期試験では論述文書を書かないといけないんですが、僕はそんなもの書いたことがなくて。落ちると思ってたので河合塾に申し込んでたぐらいなんですけど、奇跡的に合格できたんですよ笑

中瀬:そこまで意思がないのに阪大に受かるのは、それはそれですごい気もしますが笑。大学生活はどのように過ごしたのですか。

松永:勉学に関しては高校の途中で燃え尽きてしまったので、かなり酷かったですね。いかに楽をして卒業をするか、そんなことばかり考えてました。

特にやりたいことがなく精密工学の半導体のウェハを加工する学部にいってました。理系の学部だと専門性を身に着けられるようなイメージがあるかもしれないですが、麻雀&サッカーに明け暮れていたので、何も得られたものはありませんでした。

専務

これは困った秀才だね。取材してる僕も腹が立ってきたよ。

中瀬:大学で課外活動などはしましたか?

松永:体育会のバレー部に入りました。下手だったので普通はサークルに入るべきだと思うんですが、高校時代にバレーボールをしていて何も結果が残せなかったのが心残りで入りました。体育館でゲロ吐くぐらい練習はしてましたね笑。結局途中でケガをしてやめてしまったのですが。

中瀬:確か大学院にも進学されたんですよね?

松永:一応、進学してました。真面目に勉強してなかったので何も出来なかったんですけど、院試験が誰でも合格できるような院だったので。

中瀬:大阪大学に6年間いたんですね。院ではどんな感じだったんですか?

松永:これもほんと酷くて、もう今となっては本当に恥ずかしいんだけど、午後から研究室に行ってスマホで麻雀のゲームをして、夕方にはサッカーして帰るみたいな笑

専務

しっかりしてくれえ

中瀬:とはいえ、はたから見るとかなり人生うまくいってますね笑

ー人生をかけてー就職ジャンケン

就職じゃんけん、それは人生で一番大事なじゃんけん

中瀬:就活についてお伺いしたいと思います。

松永:大学に推薦枠があったんですけど、研究室のメンバーで就職先ドラフト会議をするんです。第一志望が被ったらジャンケンみたいな感じで。

私は2000年入社なんですが、理系だと当時はトヨタとソニーが大人気で、ソニーに入りたかったんですよ。

中瀬:ソニーに入りたかったのはなぜですか?

松永:特にないですね。プレステがあるからなんか楽しそうみたいな感じで。でも、5人もいたのでジャンケンをする時に若干ビビッてしまい、そういえばキヤノンの説明会がなんかよさげだったなと思い出し、キヤノンにしました笑

中瀬:大丈夫ですか。キヤノンの人見てますよ笑

キャノンではどのような仕事をされたのですか?

松永:プリンターの開発をしてました。耐久試験の担当として、暑い部屋や寒い部屋でひたすらプリンターに紙をくべ続けました。この時も特にしたいことがなくて、言われるがままに仕事をしていました。

松永さん、シュート!

松永:当時は残業代が月60時間とかだったので給料がめちゃくちゃよくて、金曜日はいつもコンパとか飲み会をめちゃくちゃしてました笑。

中瀬:いいですね笑。遊んでいた口ですね・・?

松永:いや~ぶっちゃけると・・・

専務

何かいいネタを見つけたように輝いた眼をする中瀬でしたが、泣く泣くカットしました。

松永:今は起業家を気取ってますけど、実は23年間未だに一度も転職したことが無くて。日本人サラリーマンの極みですよね笑

こんな感じでずっとキヤノンで働いてますけど、自分は大企業に向いていないと思ってます。

中瀬:どうして大企業で働くのに向いていないと思うんですか?

松永:上司を立てるみたいなことは意識していないし、常にお客様のため、会社が儲かるために行動しているので。今考えると起業家思考だったなと感じます。

中瀬:そうなんですね。会社が儲かるために日々仕事をするって難しそうに聞こえますが、会社が儲かるために例えばどんなことをしたんですか?

松永:プリンターの開発以外にプロジェクトをフォローするような間接業務をしていて、その時にしたのが輸送のコストカットです。キャノンでは新しく開発したものを軽トラをチャーターして輸送してたんですよ。宅急便だと1000円くらいで送れるものを、この方式だと東京から山口の輸送で20万ぐらいかかってしまうんです。

空飛ぶお金たち

松永:なのに当時は、機密品の情報漏洩が起きないように軽トラをチャーターして輸送するのは必要なことだと思われていたんです。これに疑問を唱えたのが若僧だった4年目の私だったんです。情報漏洩を防ぐためのソリューションは他にもあると考えました

例えばセコムのココセコムというサービスがあるんですよ。

専務

ココセコムは荷物をGPSで見守ってくれるサービスのこと

松永:ココセコムを使うことで機密品の安全は守られるので、このサービスに移行するとかなりのコストカットが実現できます。20万円を年間500件使っていたのでものすごいコストカットですよ。

中瀬:それは素晴らしいですね。何となくキヤノンに就職したものの、情熱を持って仕事に取り組まれているようには見受けられました。

松永:垣間見える程度に情熱はありました。でも、どんな世界を作りたいとかのビジョンはまったく無く、その場で起きた現象に対してより良くする方法を考えてました。

中瀬:出世欲はなかったのですか?

松永:世渡り下手だと思います。おまけに人を踏み台にして出世するとかも出来ないタイプなんです。今でも全然出世してません。。。

専務

後編では、覚醒した松永さんのビジネスや取り組みについて迫っていきます。

涙ポロリ必須、ハンカチをもって後編に臨んでください。

【涙腺崩壊】世界でいちばん強くて優しいパパの物語-後編-

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